おおいし動物病院

グルーミング

 ブラッシング、シャンプー、ドライヤー、トリミング、耳・爪のお手入れ等、犬のお手入れのすべてをグルーミングといいます。

  グルーミングは愛犬を清潔に保つと同時に、飼い主と愛犬のコミュニケーションの場になります。普段から愛犬の身体に触れるよう習慣をつけておけば、  愛犬の身体の異常をより早く発見してあげることができ、身体中を触れるようにしておくことで、犬との関係づくりにも役立ちアルファーシンドロームを予防することもできます。毎日10分でもいいので習慣をつけて愛犬とのコミュニケーションをはかりましょう。

1)ブラッシング
 ブラッシングは被毛や皮膚の汚れを落とし愛犬を清潔に保つだけでなく、皮膚に適度な刺激を与えることによって、新陳代謝を高め、血行を良くして、新毛の発育を促し、毛艶が良くなります。
 また、被毛の手入れ不足によって起こる毛玉を防ぎます。ゴミやほこりのついた毛が周りの毛とからまって毛玉になります。毛玉にはゴミやほこりが付きやすく、また毛玉があると通気性が悪くなり皮膚がむれて皮膚病の原因にもなります。毛玉やもつれを残したままシャンプーをすると、毛が水分を含んで、さらにきつくからまりあい、ほどけなくなります。ひどい場合はハサミで切り取らなければなりません。また皮膚に密着した毛玉があると、シャンプーをしてもシャンプー剤やお湯が皮膚まで届かずに汚れも充分に落ちません。ドライヤーの風も皮膚まで届かなくなってしまうので、きちんとブラッシングしてからシャンプーをするようにしてください。特に耳の付け根、脇の下、お腹、足などは毛玉ができやすいので念入りにブラッシングをしてください。

 ブラッシングの道具には、ピンブラシ(長毛種用)、スリッカーブラシ(短毛種用・毛玉取り)、コーム<金ぐし>(仕上げ用)などがあります。どれも使い方を間違えると被毛や地肌を傷つけてしまいます。常に『力を入れすぎない』『軽く使う』を心がけてください。実際にピン先を自分自身の肌にあてて動かし、肌触り(力の入れ加減)を確かめてみてください。

 長毛種(シーズー、マルチーズ、ヨークシャテリア、プードル、アメリカン・コッカースパニエルなど)は、まずピンブラシで身体全体をとかします。ピンブラシは肌とピンが垂直になるように、毛の流れにそって動かします。いきなりブラシを入れてしまうと、もつれが毛玉になってしまいます。手のひらに一握りくらいの被毛をすくいとり、毛先より少し上のところに親指をそえて、手のひらの上の毛を毛先までとかしてください。ブラシが引っかからずにスムーズに通るようになったら、もう少し根元に近い方を持ってとかし、スムーズに通るようになったら、またもう少し根元に近い毛をとかします。根元までとかし終わったら、まだとかしていない毛を一握りすくい、同じように毛先からとかしていきます。 ブラシが引っかかったら、無理に引っぱろうとせずに、一度ブラシをぬいてその部分だけをひっかからなくなるまでとかしてください。ピンブラシでとりきれない毛玉は、スリッカーブラシでとってあげます。毛玉の根元を持って、皮膚を傷つけないように、毛の流れにそって軽くとかします。毛玉がひどくかたまってしまっている場合には指でほぐしていきます。それでもとれない場合は、ハサミで切り取るしかありません。ハサミで犬の身体を傷つけないように気を付けてください。
 身体全体をピンブラシでスムーズにとかせるようになったら、コームを使って毛玉の取り残しがないか確認します。特に脇は見落すことが多いので気を付けて下さい。コームは常に毛の流れに対して垂直に使います。縦にコームをいれると皮膚や被毛を傷つけるので気を付けて下さい。あまり力を入れすぎないようにとかし、ひっかかるようでしたら、その部分だけピンブラシかスリッカーブラシでとかしなおして下さい。

 顔はコームでとかします。目をついたりしないように、片方の手で動かないように、顔をしっかりと持ち、目の下から外側にコームを動かしてください。目ヤニやよだれ、食事の時などに汚れやすい場所なので、こまめに汚れをとってあげてください。

 柴犬、シェルティ、ゴールデンレトリバー、などの被毛には堅い上毛と体温の調節をしている短くて柔らかい下毛があります。上毛は毎日少しずつ生え換わっていますが、下毛は季節の変わり目に生え換わりが活発になります。中でも春(4月から6月)は一番活発な時期です。コームやスリッカーでぬけた毛を毎日取り除いてあげてください。

2)シャンプー

 ブラッシングで全身の毛玉や毛のもつれを取り除いたらシャンプーにはいります。人間がシャンプーをするのと同じように「汚れを落とす」ことが目的です。顔や手足の先など身体のすみずみまで丁寧にシャンプーします。シャンプー、リンスは犬用(動物用)の物を使用して下さい。シャンプーはいろいろな種類がありますので迷ってしまうかもしれませんが、その犬の毛質にあった物を探してみてください。シャンプーに入る前に使う道具をそろえておきます。一度シャンプーを初めてしまうとその場から離れられなくなってしまいますので、シャンプー剤、タオル、ドライヤーなどを準備しておきます。

 肛門の4時と8時の位置に肛門腺という臭い液の出る袋状の分泌腺があります。この肛門腺がたまると、落ち着きがなくイライラしたり、床にお尻をこすったりしますので、シャンプー前にしぼり出してあげて下さい。尾の付け根を左手で持ち上げて背中の方に引いて肛門を見やすくし、右手で肛門左右の斜め下にある肛門腺を奥の方からつまみ出してくるような気持ちでしぼってあげます。この液は非常に臭いので、すぐに洗い流して下さい。嫌がる子もいますので無理にやる必要はありません。

  湯加減を調節してから身体を濡らしていきます。必ず自分の手にお湯をかけて確認して下さい。少しぬるいかなと思うくらいが目安です。

 ちょうどいい温度になったら身体中にまんべんなくお湯をかけていきます。この時のポイントはシャワーのヘッドを身体に密着させて使うことです。ヘッドを離して使うと身体にあたったお湯がはねかえって水しぶきが飛んだり、音を嫌がったりする子もいるので気を付けてください。

 全身にお湯をかけたら、シャンプー剤をかけマッサージする様な感じで洗っていきます。顔や頭を洗う時は片手で顎を軽く持ってあげると動きにくいので洗いやすいと思います。口や目の周りも指先を使って丁寧に洗ってあげます。手足を洗うときは上げすぎて無理な体勢をさせないように注意して下さい。汚れがひどいときには2回シャンプーをしてあげます。シャンプーが終わりましたらすすぎに入ります。ヌルヌルが完全にとれたか指で触って確認します。すすぎは十分に時間をかけて丁寧に行います。鼻にお湯が入らないように注意して下さい。もしも耳にお湯が入ってしまっても頭を振って水分を飛ばしますので心配ありません。すすぎをやり終えたら次はリンスです。(リンスインシャンプーであれば必要ありません)リンスを全身にかけたら軽くマッサージをして身体の隅々までゆきわたらせます。洗い流す前に湯加減をチェックして軽くリンスを洗い流します。シャンプーとリンスが終了したらタオルで拭く前に水気をしぼります。毛の生え際から毛先に向かってしぼります。ほとんどの犬は自分で身体をブルブルッと振って水気を飛ばします。自分で身体を振らない場合は耳に息を吹きかけてあげると身体を振ってくれます。水気を飛ばしたらすぐに全身をタオルで包んであげて、濡れたままにしないですぐに乾かします。夏の暑い日や短毛種の犬ならタオルで拭くだけで自然に乾くだろうと思われる方もいらっしゃるかもしれませんが季節や犬種に関係なくタオルで拭きドライヤー等で完全に乾かしてあげなくてはいけません。湿ったまま時間がたつと身体が冷えてしまったり、ムレて臭いの原因ともなります。ひどいときには皮膚病になることさえあります。足の裏など細かい部分も忘れずに拭いてあげます。十分にタオルで水気を拭き取ったらドライヤーです。ドライヤーの音を恐がる子はファンヒーターや扇風機などを使ってみて下さい。

 ブラシで被毛をとかしながらまんべんなく乾かしてあげます。表面の被毛だけ乾いて地肌に近い部分の被毛に湿り気が残ってしまわないように、被毛の根元から乾かして下さい。

 ドライヤーの風の熱さは手を当ててみて常にチェックしてあげて下さい。被毛を乾かすことだけに熱中してしまうと火傷をさせてしまうこともありますので注意して下さい。

 最後に全身の被毛の根元に指を入れて、湿り気がないか確かめます。

3)爪きり
 爪が伸びすぎてしまうと、指先の肉にくい込んだり、歩行が困難になりますので定期的にカットして下さい。爪切りは人間用の物でも構いませんが、犬・猫専用の物の方がカットしやすいと思います。爪にも神経や血管が通っていますので血管を切らないように注意して下さい。白い爪であれば血管がピンク色に透けて見えますが、黒い爪ですと分かりませんので少しずつ様子を見ながらカットして下さい。

 爪切りは嫌がる子が多いので、お互いに怪我をしないように注意して下さい。

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